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不動産有効活用:建替えで賃貸物件サブリースを検討!【府中市の不動産屋さん】

不動産業界歴 約20年 松田の本音ブログ

借金
目次

このサブリース。人生終了しますよ、、、。

Aさんは大手ハウスメーカーの提案を受けて、賃貸併用住宅の建築を検討しております。
1階部分が自宅。
2階と3階が賃貸部分を計画しています。
Aさんの収支計画は大丈夫なのでしょうか。

収支計画を見せていただきましたが、実態とかなり乖離しているように見えました。
キャッシュフローと利回りがあまりに小さく余裕がないので危険、、、
これが私の率直な感想です。

Aさんの収支計画を見ると、大手ハウスメーカーが算出した想定家賃はかなり甘いような気がしました
Aさんがハウスメーカーの提案を信じ実行に移せば、厳しい現実を目の当たりにするだろうことは容易に想像できました。
理由は、
(1)建物建築費が高いから、全体コストがかかりすぎている
(2)賃貸ニーズに合った間取りとは思えない
(3)家賃設定が甘い
(4)家賃下落率の想定が甘い。

首を左右に振る人

不動産事業者は、自分たちの利益を上げたいのであれば、お客様利益を最優先し、お客様の人生をサポートする気構えが必要だと思います。 
それが、高額商品(不動産)を扱う人としての矜持だと思います。
より安全を期すために、より厳しめで安心感のある資金計画をするのが当然だと考えます。

大手ハウスメーカーから提案を受けているAさんは、サブリース(30年一括借り上げ)について、それほど明るくないようです。
だから、ハウスメーカーが作成した「30年間シミュレーション」の通りに保証してくれると信じています。
面談した際、シミュレーション内容についていくつか質問し確認すると意外な答えが返ってきました。
 「う~ん、そこは詳しくわかりません、どうだったかな、、、。」 

なかなか衝撃的なご意見でした。
賃貸経営は「経営」であることを理解できていないようです。
ほんとにいいのだろうか、、、。

私は、本計画の利回りが低すぎるので、35年間びくびくしながらの投資になると感じました。
私がAさんだったらこの計画では進めていくことはできません。恐怖でしかないからです。

当初想定家賃で、30年間のサブリースが継続できるという保証が無いことを知っておかないと、後からサブリース契約を解除したいと思ってもできません。
借地借家法では、借主(大手ハウスメーカー)を保護するので、大家さん(素人)にとって厳しい状況になります。貸し手であるAさん(本来の羊)からは、サブリース賃料が減額されてアパートローンの返済が厳しくなったとしても、Aさんからサブリース契約を解除するには正当事由が必要であり、ローン返済ができない事は正当事由としてほぼ認められません。

府中市●●町での賃貸経営計画

鼻水が垂れています(笑)

場所は東京都府中市●●町。
自宅を所有しているAさんのご自宅は、すでに建築してから40年ほど経過しているらしいので、このタイミングで建替えを検討しようと思ったようです。どうせなら賃貸併用住宅にしようと考えたそうです。
賃貸収入もできるし、将来安定するだろうと思ったそうです。
実に良いアイデアであり、私も賛成です。

そこで大手なら安心だと思ったようで大手ハウスメーカーに相談したそうです。

大手ハウスメーカーの説明はこうです。
府中市内で不動産投資をするなら、競争力で負けないように、他の物件と商品力で差別化を図りましょう。
当社は商品力が高いので、家賃の下落率はとても少ないです。
建ぺい率・容積率を最大限に使って目いっぱい大きな間取りを作り、収益を最大化した建物を建てたほうが良いです。
借入額(建物代金)は年収の●●倍です。
35年のローン期間を設定し、途中で3回ほど年間手取りをすべて繰り上げ返済します。
サブリース(30年一括借り上げ)をしますから安心です。
家賃は相場の90%を保証します。
ラスト7年は、手取り額は赤字になります。

ーーー周辺相場を鑑みると、想定家賃は高すぎるように見えました。
間取りも中途半端に広すぎて、期待する家賃がコンスタントにとれるとは思えません。

周辺が6~8.5万円の家賃相場に対し、対象物件の家賃想定は10~11万円程度を見込んでいます。
Aさんは、サブリース保証額に対してほぼ疑いを持っていません。

※資金計画書では、当初6年目までは家賃が変わらない計画で、7年目になって初めて2%の家賃が下がる計画です。
年率1%の下落率が全国平均値というデータもありますから、本来想定する下落率は7%前後のマイナスです。

本計画では、築後15年でたったの6%しか家賃下落しないという計画です。
(本来想定すべきは15%前後のマイナスです。)

私は「人生大誤算の騙しの収支計画」だと思ってしまいました。

鼻水が垂れています(笑)

サブリースは、家賃保証を相場の実態に合わせて、常に9割の保証をする内容になっています。
つまり、空室ができ募集家賃が厳しい状況となれば、当然賃料が下がる=サブリース料も下がるので、アパートローンを利用されている場合、返済計画がうまく進まないことも想定しておくべきでしょう。

当初の計画書は確約ではないので、35年間、計画通りに保証されることはありません。
府中市を扱う不動産賃貸仲介のプロなら賃貸の地域相場は熟知されているかと思います。
私の言っていること、変とは言わないと思います、、、。

驚くべき「賃料想定が大外れ」な事実が発覚、、、

う~む。まいったなの営業マン

Aさんの物件は駅から徒歩10分。
周辺の商業施設はスーパー以外目立ったものは何一つありません。
同等家賃を調べると、駅徒歩2分程度のところにありました。
(==;)駅2分と駅10分が同じ家賃想定、、、、。

そのほかでは家賃8.5万円くらいが頭打ちで、徒歩5分以上になると一気に大きく家賃が下落しています。
おおむね7~6.5万円です、、、。

知り合いの先輩業者さんからもヒアリングしましたが、昨年、その地域の徒歩5分くらいの新築物件が決まらなくて、建物完成後、全部屋の家賃を当初計画より1万円ほど下げ、敷金礼金ゼロゼロ、さらに広告料400%付け、やっと決まったんだそうです(笑)
つまり、大家さんは、
・仲介手数料100%
・広告料400% で募集したので、
5か月分の家賃相当額を支払って客付けしてもらったのです。

ここまでしなきゃ客付けができなかった物件(地域)って何よ???と思えます。

 つまり、賃貸需要を鑑みると、この街(立地)そのものが魅力にやや欠ける、、、ということになります。
そんな立地に、こだわり物件を建築したところで集客できるのでしょうか?
募集家賃は、想定より早く減額していくことは予想できますので、危ない橋を渡ることになる可能性は高そうです。

不動産投資をする人は、通常は出口戦略を想定します。
万一の際、売却して逃げるためであり、利益を確定するためです。

ところが、建築した瞬間に土地値(数千万円)は蒸発(赤字)する計画になっています。
土地は最初から所有しているという優位性があるのに、儲からないシミュレーションなのです。

そんな収支計画だったので、私がAさんに説明した内容はリスクの話しばかりとなってしまい、Aさんの反対ばっかりしているような説明になってしまいました。
所要時間は、なんと4時間ちょっとです(笑)

ちなみにこの地域では、賃料額とほぼ同じ支払額で、
新築一戸建て(土地所有権付)3LDKが十分に購入できてしまいます(==;)。 

(リスキー小話)

通期サブリースによる満室経営(1階は居宅利用)が前提ですが、35年の返済計画の中で、年間手取り額「丸々繰り上げ返済」を3回(3年)する計画になっています。
にもかかわらずラスト7年目からは赤字経営です。
仮に1階部分を含め、すべての部屋を賃貸に出したとしても、想定表面利回りで5%に届きません
土地代も投入資金として計算すると、さらに利回りは低くなります。
これはもう投資ではありません。無謀な博打です。
不動産投資をする人からすると、この計画は望ましい計画ではないことは即断できると思います。

賃貸は経営です! 目的を明確にして、気持ちがブレてはいけないのです

グラフ、相場

賃貸は経営です。
不労所得という言葉に騙されてしまう人が多いような気がして残念です。

数億円の現金を持っているのであれば、将来の相続税圧縮のための資産運用という考えもありますが、Aさんの計画を見る限りは違います。新築ならサブリース契約はしないほうが確実に得です。
なぜなら、家賃設定が間違ってなければ努力を要せずして普通に入居してくれるからです。

サブリース契約をしないことを想定して、常に満室であっても月当たりの手残り金額はおそらく10万円いかない程度。
 (1億円相当の融資を35年返済で計画しています。)

どうでしょう?
1億の借り入れをして年収120万円いかない、、、、。
(土地代金を考慮すれば、1億4千万円の支出をして、手取り120万円です(笑))

大手ハウスメーカーは、高級な物件を建て、ブランドの差別化、競争力で勝つ!なんて言っていますが、すべての地域で当てはまることじゃないと思います。 
不動産は建物もさることながら立地がものをいうのです。
ハウスメーカーの「売るためのトーク」はいらないと思います。

すでに請負契約済み。契約破棄はできるのか?

Aさんから、万一、請負契約を破棄したいという質問が出るかもしれないと思ったので、法律に明るい法律事務所に確認をしました。もし、この契約を破棄したいと考えるなら、計画が無謀であるということを根拠とする錯誤無効を主張する方法があるようです。もしくは多少の違約金を払う方法です。
私の素直な気持ちとして、Aさんにこの賃貸事業を始めてから後悔してほしくないのです。

ーーー

私は、多少の違約金がかかったとしても、この計画は中止したほうが賢明と思えました。
 もしくは計画変更して再度計画をし直す必要があるように思いました。

なぜかというなら、年収に対して借り入れが多すぎるし、不測の事態が生じたら、ほかの資産を取り崩して、リスクヘッジをすることになる可能性を秘めていると思えたからです。
もちろん、計画通りのサブリースが最後まで続けば、首の皮一枚で継続できるわけですが、そのようにうまくいくとは到底想像ができません。

キャッシュフローがあまりに少なすぎるのです。

決して無理をしてほしくないと思いました。
はい、相談はここまで。
後の決断はAさん次第です、、、。

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