

昨日、ある記事を読んで思ったことがあったので書きます。
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不動産投資をしたいサラリーマンの方、たくさんいらっしゃいます。
私の持論として、ずっと前から言っていることですが、
「投資」なので、儲からなくては何の意味もありません。
そう。
不動産会社(例えば私)だけが儲かっても意味がないし、
そのような営業自体が、お客様にとって大迷惑なのです。
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンなんて言われていたように記憶していますが、
少し前まで金融機関が返済能力がないサラリーマンにも融資をじゃぶじゃぶ貸し付けていました。
そのせいか、投資用不動産の値が立地に関係なく、不動産の収益力に関係なく価格ばかりが上がっていき、利回り商品としての魅力は低下しました。
それでも、バカ素人(ごめんね。極端にわざと書きますね。)は儲かると勝手に都合よく思い込み、営業マンの半ば言いなりのようになって購入しちゃう。
ホント、あぶない。
もちろん、出口戦略も計画し、儲かる物件と予想ができ、総合的に検討してプラスが発生するのであればそれはおおむね安心といえます。
しかし、けっこうな数の人が、将来、たぶん破たんするであろうレールの上に乗って進んでいることを自覚していないことに怖さがあるのです。
今日は、そんなことを書いちゃおうかなと思います。
(ちなみに、全ての物件がダメという事もありません。いい物件はたくさんあります。)
儲かりますの話し。実は、、、
不動産投資は儲かります。
これは本当です(笑)。
例えば、100,000,000円の物件で表面利回りが2%なら、年間2百万円の家賃収入があります。
ここから固定資産税などの税金を差し引いても、どんなに少なくても年間1百万円以上は残ると思います。
だから、10年所有すれば1千万円の儲けとなるわけです。
おぉ!!っと思ったあなたはバカ者です(笑)。
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多くの人は、金融機関の借入を利用されますが、借入金利で3~4%が目安だと思います。
つまり、表面利回りが2%だった場合、金利が1~2%分赤字になるので購入は出来ず、
表面利回りが5%だったとしても手残りはたったの2~1%です。
都心3区等で超駅近メインストリートであればまだ売れるかもしれないけど、
府中市あたりで表面利回り5%なんてものは絶望的です(笑)。
借入で購入なんてありえません。
(まぁ、今の銀行は貸してくれませんが、、、(笑)。)
維持管理費は半端じゃない
維持管理費が結構かかるの知っているかな?
・10年程度間隔の大規模修繕。その費用は数百万円。規模が大きければ数千万円。
・賃借人が入退去されるときの、ハウスクリーニング代、仲介手数料。
・賃貸管理を頼めば、管理費用。
・設備が壊れれば、大家負担の設備改修。
・空室時のローン返済は大家の自己負担。
・規模によりますが、法定点検費用
・固定資産税と都市計画税
・賃貸収入の所得に対する所得税
どうでしょう。
表面利回り7%
金利3~4%
残りが、4~3%。
残りの範囲で、維持管理費用を余裕をもってまかなえるでしょうか?
う~ん。
私はスリルを求めたくはないので、ちょっとどうかな、、、と思います。
よっぽど低金利で借りるとかできないと、ちょっと無理なのではとも、、、、。
損したら節税になります!って、、、本末転倒な話し(笑)
多くの人は、収入が増えるとか将来の年金の為、という理由で投資用不動産を購入されると思うんですが、だんだん目的がすり替わってきて、営業マンの言いなりになっていることが多いんですよ(笑)。
投資だから、本来は儲けるのが目的です!
それが、
儲からなくても将来自分の資産になればいい、という目的に変わってしまう人がいます。
節税対策になるからいいかな。ってね。
こういう人は、既に投資用不動産購入に失敗しています(笑)。
例えば、ローン返済が年間100万円とします。
家賃収入が80万円とします。
年間で20万円ほどポケットマネーを使って返済(損)をすることになります。
サラリーマンやっている人が給与所得500万円だとします。
20万円損が出ているから、損益通算をすると、
500万円ー20万円=480万円が所得になるので、
この20万円相当にかかる所得税と住民税が安くなる(還付される)というわけ。
おいおい。
毎年20万円も負担しているのに、数万円だか、数千円の還付なんて全く合わないぜ!(笑)。
ただし、建物の減価償却費の計上はメリットになります。
でもね、そうであっても全体としてみれば大したメリットにはならないと思いますけどね。
将来、売ればいいじゃないですかって、ほんとかよ?の話し
営業マンの多くはこれ言うんだよね。
これってね、将来的に、その地価が横ばいか、上昇している時ならいいのね。
だけど、その確約誰がするの?
営業マンがするの(笑)?
どこの会社か知らないけど、たかだか一会社員が?
何を根拠に?
何を裏付けに???
私を信用して下さいって???
全く保証などないよね。
売れば、利益が確定することもあるし、
損失が確定することもあるんですよ。
それをよく理解しておくことが大切です。
利回り7%っていいの?
府中市内で駅から15分以上歩くような物件だったら絶対にアウトだね。
購入資金のほとんどを融資に頼る方はアウトだね。(もう、そんな買い方はできませんが。)
借入金利4%だったら、その差はたったの3%だけ。
ズバリ言うと、これじゃもう投資じゃないです。
だってね、維持管理費用(ランニングコスト)がかかることを絶対に忘れてはいけません。
例外として、プロであったり、自己資金を相当入れて空室が生じた時でも微動だにしないようなキャッシュ・フローが出ているなら良いと思います。
購入目的によるところなので、目的にあっているのであればどのような利回りであっても良いかと思います。
たまに節税対策のために、大きな借金を作る人がいますけど、購入した投資用物件が、将来売るに売れなかったら、節税どころか、数千万円、数億円の損失を被ることになるのです。
地主さんで被害を受ける方が特に多いんですよ。
「数億円を銀行から借り入れて(借金作って)、自分の土地に建物(アパート、マンション)を建築すると相続税対策になりますよ。」なんて言う銀行営業、建築会社や不動産仲介会社のアドバイスは、よく検討するべきだし、怪しければ遠慮なく断るべきです。
何度来られても、何度見積もりを作ってくれたとしてもです。
本当にメリットがある場合は良いんですけど、長い目で見ればリスクのにおいがするものはやっぱりやめておくべきなのです。
何事もバランスが大切なのです。
価格は三極化。大丈夫?
不動産価格は、高くなるところ、横ばいのところ、低下するところ、三極化しています。
その立地の将来性を、よく考えましょう。
裏ワザ!ローン期間45年
1億円の融資が必要な場合、
金利4%、期間20年なら、毎月の返済額は61万円。年間730万円。
(総支払額1億4543万円)
利回りが7%だったら家賃収入700万円。
つまり、年間の損失は30万円とランニングコストが赤字になります。
だから、営業マンが言います。
「ローンの期間35年を、45年の長期にしましょう。そうすれば毎月の返済額が減るので利益が出ますよ!」
金利4%、期間35年なら、毎月の返済額は45万円。年間540万円。
(総支払額1億8596万円)
利回りが7%だったら家賃収入700万円。
つまり、年間のプラスは160万円。
その他ではランニングコストが損失分です。
金利4%、期間45年なら、毎月の返済額は40万円。年間480万円。
(総支払額2億1570万円)
利回りが7%だったら家賃収入700万円。
つまり、年間のプラスは320万円。
その他ではランニングコストが損失分です。
だいたい、45年もローンを借りたら、その間にどんだけの維持管理コストがかかると思ってんだい。
大規模修繕スゴイ費用だからね。
築後45年以上の物件だよ。
今現在、築後45年の物件の家賃ってどう?
どんだけの修繕費用累計なの?
維持するのも大変だよね。
家賃も必ず低下するし。
今後、45年間家賃が維持できる地域は限定されるでしょ。
それらを考えると、本当に大丈夫なの?ってことになるわけ。
営業マンは、売りたいからローン期間45年っていうのね。
お客様の利益や将来の事なんて、全く考えていないのがよくわかるでしょ?(笑)
売りたくてウソ言う輩が多くて、どうしようもないよね。
ちなみに、先日営業マンがうちに来てくれて、
府中駅13分くらいのとこで、利回り5.5%の優良物件があるなんて言ってたんだけど、
心ん中じゃ、バカかこいつ?と思えてしまったよね。
私は絶対に紹介しないというかできません。
もちろん、よっぽどの購入するべき理由があったり、自己資金一括みたいに潤沢な資金で購入を検討されるなら良いけどね。
家賃保証のウソ
家賃保証35年。
これもウソね。
だいたい2年ごとに再契約だから。
周辺相場が下がれば、保証家賃も下がる。
そんなことやってたら、家賃保証額がローン返済額を下回るのはあっという間だから。
ホントやばい。
営業マンのシミュレーションは、
家賃と空室率とローン金利が永遠に変わらない前提だから、
そもそもこのシニュレーション自体がほぼ詐欺と同義でしょ?
でも、小さい字で但書が書いてあるので、不動産会社は正当に逃げられるのです(笑)。
リスクはお客様が全てもって、売上だけ利益だけは不動産会社が持っていくというわけです。
だまし営業がうまい人が勝ち。
笑顔が素敵な新人が勝ち。同情してもらってなんぼ。
経験豊富な営業マンが勝ち。妙に説得力のある話しで百戦錬磨。
とにかく調子のいい奴が勝つ不思議な業界です(笑)。
家賃収入が変わらない前提と、大規模修繕の大支出を軽く考える怖さ。
家賃収入は、年間1%づつ下がると仮定します。
10万円の家賃なら2年後の更新の時は98,000円。
退去された場合、シミュレーションの通り貸せないこともあります。
その場合、95,000円の募集になるかもしれません。
一気に3年分の低下となりました。
こんな事が一室でも起こってしまえば、他の部屋だって同じような事になりかねません。
大規模修繕もそう。
結構高いからね。
通常の一戸建ての屋根と壁塗装で100~200万円はかかるでしょ。
アパートマンションはもっと大きいから、だいたいなんとなく想像できるでしょ?
不動産は立地がものをいうのだけど、近所で新築(競合物件)が建てばそちらに賃借人は取られちゃう可能性があります。
そうなると、家賃勝負か設備(リフォーム)で勝負することになるわけで、いずれにしても、やっぱりお金のかかる話しになるのです。
つまり、大規模修繕だけでなく、日々の競合との戦いにもお金がかかるという事になるわけです。
投資用不動産は経営である
アパートマンションは経営であるでしょ?
将来の年金、節税対策の前に、経営をいかに上手にやるか。
経営がうまくいけばいいけど、うまくいかなかったらどうするの?
経営責任は、不動産会社にはありません。
大家さんになった自分自身に経営責任があります。
経営がうまくいかなくなったら、売ればいい?
売る時にローン返済が完済できなければ、所有権移転できないでしょ?
どうすんの?
差押される?
自宅を担保にしてたらそれも売る?
事前の計画をどの様に立てているのかによって、
つらい結末が待っている場合もあるし、
なんとか乗り切る方もいるし、
余裕で乗り切る方もいます。
知識がないのに、経営という場に立てる人は少ないのだから、
年金とか節税の前に、経営という意識を強く持つことが大切です。
経営という意識を持てば、利回りの低い物件なんて、絶対に手は出せない。
少なくとも、サラリーマンが購入するような物件は、
投資家は手を出しません。
なんでか知ってる?
答えは単純。
損する未来が待っている物件なんて購入するわけないでしょ?(笑)。
ほんと、気をつけましょう。
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