相続税の納税は『期日内』にしないと大変です

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相続税の納税は10か月以内
約1年以上前から家族信託などの相談を受けていたAさん。
家族信託の手続きが完了した後もいろいろと相談に乗っていました。
その後、相続が発生したため、税理士に相続税の計算をしてもらうと、相続税の金額は数億円という計算になりました。
(;゚Д゚)なぬー。
さぁ大変です。これからは納税期間との戦いです。
納税資金を10か月以内に集めて納税をしなくてはなりませんが、その前にすることがたくさんあります。
遺産分割協議書の作成が思いのほか大変

被相続人の財産がどのくらいあるのかを明確にし、その後、各相続人の取り分を決めていかなくてはなりません。
円満に進む場合もあれば、円満に進まない場合もあります。
最近では争族という言葉がありますが、ある程度、資産に余裕があると争族になりづらいとよく聞きますが、相続財産が少ない場合、少しでも多く貰いたいということもあって、かなり揉めることがあります。
今までにそれなりの数の相談を受けてきましたが、多くの人がなんとなくは揉めている雰囲気はあります。
(中には、激しく揉めている人もいます。)
私のおじさんが亡くなったときは、親戚のおばさんたちから、「ひろちゃん(私のこと)は、相続財産なんていらんやろ?私たちはもう年なんで、少しでも財産が欲しいんだよ。」と言われた時には興ざめしました(笑)
甥っこがもらう相続財産さえも、もらいたいってことなのかぁ~。
(おばさんたちの父母(私からすると祖父母)と私の父がすでに他界していたので、相続する権利が私にも生じていたため。)
そんなことを経験すると、水面下ではいろんな思惑が動いているんだなぁと気が付きました。
なので、遺産分割協議書を作成する時、自分が得したい!と思っている人がいると、けっこう大変なことになるのは容易に想像できるのではないかと思います。
納税できないと延滞税

納税期限内に納税ができない場合には、延滞税という形で利息に相当する税金がかかります。
これがまたとんでもない金額です。私はくわしい説明はしちゃいけないので、詳しくは下記を参照してください。
No.9205 延滞税について [令和6年11月29日現在法令等]
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm
納税資金確保のための土地売却でトラブル発生!?

それでです。
Aさんからご依頼がありました。
「相続納税資金を確保するため、土地を売って下さい。」
売却を開始するには
①遺産分割協議書の作成
②測量
③敷地内にある携帯電話のアンテナ基地の撤去 が必須でした。
③の敷地内にある携帯電話のアンテナ基地は結構ゴツイもので、高さは15mくらいありそうです。

撤去にはそれ相応の日数が必要だと思いましたので、相続が発生した時点でAさんに携帯電話業者に確認をしてもらったところ、

(携帯電話アンテナ基地局の担当者さん)
はい。
アンテナ基地は、連絡をいただければすぐに撤去できると思いますよ。
ぜんぜん問題ありませ~ん。
と言われたそうです。
私は、「あんなにでっかいアンテナを、そんな簡単に撤去してもらえるのかなぁ?」と思いましたが、売主様がそう言っているんだから大丈夫なんだろうと思うことにしました。
いざ契約がそろそろできるタイミングになると、念には念を入れて自分も確認しないと安心はできません。
ということで自分が確認すると、そう簡単に撤去(解約)できないことがわかりました。
担当者「契約上は向こう5年は撤去できません。」
あれ?
これはとんでもないことになりました。
こういう回答になると、この土地を購入してくれる人はいないと考えるのが普通でしょう。
オロオロ \(゜ロ\)(/ロ゜)/
オロオロ \(゜ロ\)(/ロ゜)/
ということで、私はAさんにかわって携帯電話アンテナ基地局の担当者さんとやり取りをする事になりました。
そして、、、、。
最終的に結果オーライ

アンテナ基地局について解決する見込みが立ったので、購入検討をしてくれる業者さんとやり取りをし、無事に納税期日までに売買がまとまる運びとなりました。
売主様は、ほんとうにビビったでしょうね (^▽^;)
滞納したら延滞税がかかるし、しかも1日あたりの延滞税が半端ない金額、、、。
相続税の納税は10か月以内という決まりがありますが、実際にはお葬式などもしなくてはいけませんし、心の整理もしなくてはなりません。その上で相続財産を全部見つけて計算して、、、と結構ハードです。
相続人が多い場合には、これまた厄介なことになります。
とにかく、早め早めに対応して、後で困ったことにならないようにプロにサポートをお願いしてくださいね。
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