銀行員が言う節税対策

今日は、とっても参考になるリアルな良い話しです。

 

ある資産家の方から不動産の有効活用について少し相談を受けました。

そのことで、以前の事を思い出しましたので、ここに記載をしてみます。

もちろん、バッチリはかけないので、かなり内容を変えていますのであしからず。

 

私は以前、神奈川県相模原市で、某電力会社の社宅を建設した地主様(Aさん)から、一棟のマンションを売却してほしいという相談を受けました。

その時の査定価格は5億円です。

 

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さて、このAさん。

さらにさかのぼる事10年前に、こんなやりとりがあったようです。

 

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Aさんは、かなりの資産をお持ちなので、相続税対策は有効にしたいはずです。

 

で、Aさんの所に、おなじみの銀行員が、相続税対策のための不動産の有効活用について提案をしに来たそうです。

 

「Aさんの土地に建物を建てて、相続税対策すれば、●●●円の相続税が節税できますから、ぜひやったほうがいいです。建築費用として●億円を融資します。」

 

・・・・。

 

なるほど。

素晴らしい相続税対策ですね。

 

 

節税対策がどうして必要なのか考える

 

節税対策はなぜ必要なのかを考えてみましょう。

 

自分のもてあましている遊休地を無駄にしておくのはもったいないと思います。

これからは自分の資産を活用してお金を作ることが大切になってくるからです。

つまり、有効活用です。

 

今回の節税対策と言うのは「相続時の相続税の節税対策です。」

でもね、借金を作ってまで相続税を回避する必要があるのでしょうか。

 

もちろん、この計画を進めて行けば、相続税は回避することができる可能性が十分あります。

しかし、後世に借金と経営リスクを残していくことになるのですから、

今、納税資金が充分に足りているのであれば、わざわざ借金をしてまで賃貸経営をする必要性もないように思ったりします。

 

目先の損得だけではなく、広い視野をもち、よ~く全体的に考えてみたいものです。

 

 

不動産投資は出口(売却)ありきでスタートすること

 

投資は出口(売却)ありきで考えないといけません。

出口戦略を考えずに投資を始めれば、成功する確率はとても下がるからです。

(ラッキーで成功することもありますが今の環境下では安易な考えでは失敗するでしょう。)

 

 

銀行員からすればこの投資はやるべきだそうです。

なぜなら、、、

相続税対策!だから。

 

節税ができる理由は、

・小規模宅地等の評価減の特例とか、

・貸家建付地になるとか、

・建物も貸家評価になるとか、

いろんな評価減の税制があるからです。 

 

それらを踏まえたうえで、銀行員はメリットを説明します。

しかし、銀行員の話しには、出口(売却)の想定はあっても、売却をする時点で失敗する臭いがするのです。

 

(当時、私がその話を聞いていたら、銀行員が提案する建築物件は、将来理想的な価格で売れるとは思わなかったでしょう。)

 

ここでいう失敗とは、大金を使った事業なのに、それに見合った利益やメリットが得られない事を指します。

 

 

大手の社宅建築、一括借り上げがお勧め?

 

銀行員は某電力会社の社宅を建築して、一括借り上げをしてもらう事を提案してきました。

 

家賃は定期的に入金されるし、その額もかなりでかい。

単純に借入金利息と経費を除いても、毎月のキャッシュフローは問題はなさそうと言えばなさそう。

ずっと、この企業が借り続けてくれて、家賃減額もなければ問題はなさそうです。

 

しかし、このご時世です。

絶対はあり得ませんから、リスクヘッジは必要です。

 

社宅は、その企業のためのオーダーメイド商品。

ファミリータイプのちょっと特殊な3LDKを30戸。

さらに見栄えの良い豪華なエントランスホールを作りました。

土地は大きく、30戸分の平置き駐車場もあるゆったりとした建造物です。

借り上げ家賃設定は、周辺相場よりもかなり高く1.3倍程度でした。

これは魅力的です。

しかし、家賃設定が周辺相場と同等であれば、ローン返済に支障をきたしてしまう水準でもありました、、、。

 

万一、その企業が借り上げ契約の解除をしたら、その後の賃貸経営はどうなるのでしょうか。

 

こういった社宅仕様は、一度空いてしまうと次の貸り手が付きづらいので、状況によっては解体して更地にせざるを得ないこともあります。

(土地建物のバランスを考慮すると、次のオーナーが期待する利回りでの売却はまず無理と考えるのが妥当でした。)

 

解体せずに用途変更工事をすることもありますが、それも建築確認申請や改修コストがかかるため、それ相当のお金のかかる話になりそうです。

配管工事のやり直しから含めると、その規模感からすれば、改修費数千万円程度のお話しではなかったのです。

 

さらに!

解体するにも数千万円程度はかかるだろうという見積りが、、、、。

進むも地獄。

戻るも地獄。

アウトの一言です。

 

 

ローン返済は待ってくれない

 

もしも借主に契約を解除されたらどうなるか想像できますね。 

家賃収入が一気に0円になります。

それでも、貸してくれた銀行へのローンの支払いは続きます。

待ってくれません。

 

社宅(某電力会社)仕様だから、次の契約者はすぐに現れる可能性は少なく、その時の経済情勢によっては、会社が社宅を提供しなくなることもあります。

事実、経費削減により社宅がどんどん減っていった時でもありました。

 

その様なこともあり、社宅仕様だと次の借主に足元を見られる可能性が高かったのです。

そしたら、当初の計画通りには進まない可能性があります。

そんな時、銀行は、果たして助けてくれるのでしょうか?

 

もちろん、返済は待ってくれませんでした。

ほんと、想像しただけで怖いですね。

 

 

融資した銀行が、リスクは一番低い

 

融資した銀行は、リスクがほぼありません。

なぜなら、建築資金として●億円の融資をする計画なので、

土地の価値がそこにオンされているから、資産価値としては●億円+土地代。

さらに、共同担保として、別の物件に根抵当権をつけて押さえています。

 

銀行の視点で見ると、ある程度のローン返済をしてもらえれば、万一ローン返済が滞ったとしても、抵当権実行で残債額相当の回収だけは充分にできると考えられます。

(考えているから融資します。)

 

もしも、この借主が解約した場合、Aさんは各種の支払いを考慮しつつ、賃貸経営をしていかなくてはいけません。

この立地で、競合相手に戦っていくためには、用途変更など、様々な検討は必要です。

 

 

話しが矛盾だらけの銀行員

 

銀行員は、一括借り上げだから安心だと言ったそうです。 

 

Aさんはサブリース問題も知っているからとても心配です。

もしも家賃見直し(減額)になったり、契約解除されたりしたらどうするのか質問すると、ドライなご意見が、、、。

 

「失敗している人は契約書をよく読んで契約していないから悪いんです。」

「そもそもサブリース営業マンの口先の説明を信用するからいけないんです。」

だそうです。

 

これは、的を得ている説明ですね。

 

 

で、銀行員はさらに言いました。

「一括賃貸借契約が解除された後も、すぐに募集ができる建物がイイです。」

「万一の時、この物件であれば、その時の相場観もありますが、●億円で売却できると思います。」

あれ???

ずいぶんと不確定な事を言うものですね。

 

 

社宅は、契約が解除された後って、結構大変なんですよ。

超減額家賃が待っているのが頭の上をかすめますよね、、、。

そして、次の一括での借り上げ契約は当分やってこないのが必然ですし、売却価格も想定よりもかなり安い査定になりました。

 

謎の会話です。

 

 

得する前提しかなかった話し、、、。

 

家賃収入があるうちは、それほど不安はありません。

 

 

(収入)

・家賃

 

(支出)

・融資の返済

・固定資産税等

・事業税等(利益に対する)

・所得税や住民税

・建物管理費用

・メンテナンス費用

 

(将来の売却)

・期待する価格で売れるのか?

・需要がある物件と言えるのか?

 

家賃は、見直しがありますから、収入は上がることはなく下がる事しかありません。

借主が契約を解除したら、支払いだけは毎月あるのです。

毎月数百万円という支払いです。

 

銀行員は、得している時の夢物語ばかり話すのかもしれません。

 

 

銀行員の本音。融資がしたかった。

 

銀行員は、融資をするのが仕事。

 

 

 

不動産が「負動産」になった日

 

賃借人が一括契約を解除した時、その社宅物件は負動産になりました。

 

Aさんは、某電力会社から契約に則った違約金ももらいました。

しかし!

相続対策で得をするつもりで建築したにもかかわらず、自分が存命中のうちに、ローン返済で困ることになったのです。


エンドユーザーに活動を行うことも考えましたが、こう言った物件の需要があまりないので、まずは業者買取を検討しました。

しかし、業者買取で処分する場合、ローン返済が1億円以上残ってしまう計算でした。

つまり、不足部分については別の担保物件を売却して返済の穴埋めをするしかないのです。

 

得をするつもりが大損になってしまったのです。

 

物件の規模感からして、次の借り手がすぐにつくことはないですし、検討してくれたとしても、かなりの家賃減額交渉をされます。

 

なぜなら、借り手はビジネスなのです。

採算の合わないものを借りる企業などありません。

 

社宅仕様は、契約解除されると本当に青ざめます。

 

このような事例から、建築を検討されている方においては、色々と気を付けてほしいものです。

 

将来の税金を少なくする対策よりも、現在の資産を有効活用して、

資産を維持し、そして増やすことを考えた方が良いのではないか。

その上で、相続時の評価が下がるように考えた方が良いのではないか。

そう思ったりもします。

 

もちろん資産の全体像を見てからの話しです。

 

いずれにしても●億円の借金をしたら、それを回収するのって大変なことです。

そこまで重荷を背負うことが、長い目で見たときのメリットになる話なのか、よく考える必要がありそうです。

 

 

まとめ

 

Aさんが見せてくれたプロジェクトの資金の動き(予想段階)を見ると、メリットに見えるような見せ方がたくさんありました。

私には、このプロジェクト段階での銀行員の説明では成功するとは思えない不動産投資と映りました。

 

相続税対策としての有効活用には、様々な税制上のメリットがあり、上手に活用すれば素晴らしいのです。

しかし、納税する資金が潤沢にあり、リスクを背負う事を好まない人もいるはずです。

Aさんに対し、敷地が大きくゆったりとしたファミリータイプの社宅をお勧めするのは、私個人としては、あまりに賢い選択ではないと思いました。

(とてもではないですが、その後の事実が物語っておりますが、、、。)

 

銀行がお勧めしてくるのは、融資を利用する前提のお話しだけです。

 

銀行はなぜこのような案を、良い提案だと言うのでしょう。

それは自分の利益(融資)に直結するお話し以外は、良い提案と言えない(言いたくない)のです。

これでは、お客様のメリットを本当に考えているのか疑問に感じたりします。

 

お客様の希望を踏まえたうえで、何がベストなのか?

それを考えて実行することが必要だと思います。

 

私は銀行の提案を無視して、そこを単純に売却して、より収益性の高い不動産に買い替えるだけでも十分だと思えました。

もしくは、等価交換事業などでも十分良かったのではないかと思うのです。

 

なぜなら、借金をすることなく、今までよりも効率よく収益を上げるという目的は充分に達成できるからです。

 

もっと視野を広くしていろいろな角度から可能性をさぐりアドバイスをしてくれる人のお話しの方が、メリットがあると思いますね。

 

 

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