不動産価格はマーケットが決めるというご意見【府中市の不動産屋さん】
目次
不動産(戸建)売却の件でZOOMでの打ち合わせ
先日、海外在住の方(Aさん)から不動産売却の委任を受けまして、その依頼主様とzoomをつかってお話しをしました。
zoomだと息遣いとか、人となりがわからないということをよく聞くのですが、私にはその趣旨が良くわからないところです。
というのは、映像を表示させて話しをすれば、電話と違って表情などもわかるので、いろんな自分の経験値からして、相手が喜んでいるのか、嫌がっているのか等は、普通にわかるからです。
不動産の売却委任をいただくにあたり、海外にいらっしゃるということもあり、どのように対応するかということも含めて対応をさせてもらったのですが、じつはこの方、海外不動産仲介の同業者さんです ( ̄▽ ̄)
海外で18年くらい不動産やさんをやっているんだそうです。
最初にそれをおっしゃっていただければ回りくどい説明は省けたのですが、私の説明を止める事なく、最初から最後までいろいろと話しを聞いてくれました。
(邪推するなら、私に仕事を任せられるのか判定をして下さっていたのかもしれません。)
人生の先輩から短時間ではありますが、海外不動産のことを教えてもらったり、日本のレインズシステムの元祖は海外のシステムなんだよとか、とてもリアルな裏表のない話しを聞けたので、とても楽しい時間を過ごせました(笑)
ホント勉強になります!(笑)
不動産価格はマーケットが決めるというご意見
下記は、依頼主様であるAさんがおっしゃっていた言葉で、これはまさに不動産取引の心髄をよくよくご理解されているなあと思いました。
さすが同業者さんだと思いました。
Aさん「私がどんなに高く売りたいと思っても、不動産価格はマーケットが決めるものだから、私の事情があったとしても、マーケットからするとまったく関係ないことなので、もしこの金額では売れないというのであれば、遠慮なく言ってほしいし、そのほうが私にとっても時間節約になるからとても助かるんですよ。」
Aさん「万一、損したときは、授業料だと思えばいいんですし、今回の物件で儲けようとも思っていないから、松田さんにズバリ言ってもらえた方が良いので教えてくださいね。」
ズバリ、端的にお話をしてくれて、素晴らしいなぁと思いました。
自分の想いは関係ないというご意見
Aさん曰く大切なことは、「自分がどう思っていても価格はマーケットが決めるのだからそれを素直に受け入れるしかない。」ということ。
達観しているんだなぁと感じました。
心が洗われる思いがしました。
もちろんのこと、私自身はそれは知っているのですが、それをお客様の立場の方からこれほど明確に聞かされた事がほぼ初めてだったので、目からうろこというか、理解されている人は凄いなぁと思ったのです。
売るという立場の人の中ではごく少数派のご意見なので、それをこうやって聞かされるというのはとても新鮮な気持ちになります。
先日マンションの売却委任をいただいたお客様の場合、他社仲介さんの3400万円の査定報告に対し、3100万円の査定を出した私のことを信頼してくれて本当にうれしかったのですが、このAさんと考え方の根本は同じです。
時に、こういったことを言い方は違えど表明してくれて、私としてはとても業務が進めやすく別の意味でうれしいものです。
素直に受け止める必要性というご意見
「やっぱりマーケットの事情を素直に受け止めることが大切だよ」ということをおっしゃっていたのですが、それ、本当にそうだなと思います。
Aさん「マーケットが評価してくれなければ、自分だけがどんなに高い評価をしても誰も理解してくれないのだから、それは考えるだけ無駄でしょ?」
Aさん「だから、本当に売れる金額を辛口でもいいので、ズバリ出してアドバイスして欲しい。」
Aさんは海外に長くおられるので「日本の市場感がまるでわからないから、今回は失敗しちゃったかなぁ、、、と思うしかないかな。」と言っていました。
変にこだわらず達観した意見だなぁと思います。
多少の損得を超越して、割り切ったうえで物事を考えることができる。
なかなかできない事だと思いました。さすが人生の先輩です。
私なりに簡単にまとめると、物件価格は需給のバランスで決まります。
欲しい人が多くいれば価格は上昇しますし、欲しい人が少なければ価格は下落します。
「より高く」とか「よりよい条件」で売れるようにするには、それなりの売る側の努力が必要になると思います。(売る側とは、売主様と私ということになりますが実は売主様の努力が7~8割以上影響しているというのが本音のところです。なぜそうなのでしょうか?それは売却相談をいただいた方だけに、そっとお話しします(笑))
不動産価格は、まさにマーケットが決めるのですが、身近なもので例えると分かりやすいです。
様々な商品価格は周辺の需給関係などに影響を受けると同時に、複数あるお店の各店舗ごとの販売戦略により値段をさまざまに変えて売り出しますので、総合的判断としては難しいところでもあります。
(分かりやすい例)
・今年のサンマの値段
・今年の葉物の値段
こういった商品はその年の漁獲量や天気の影響、収穫量の増減によって影響を受ける典型的なものです。
最近では、たまごの価格は約2倍まで高騰していますよね。
鳥インフルエンザによる殺処分が原因(つまり生産量が激減した)と聞きました。
これが需給の関係です。
お金で動くような人間になりたくないと思っているというご意見
Aさんは「人の人生というものは、命の次にはどうしたってお金が大切(必要)だということを誰よりも十分に理解はしているけど、それであっても、お金に振り回される人間になりたくない。」と言っていました。
Aさん「お金に振り回されなければ、目先の物事にとらわれないで平常心でいられるでしょ。」
Aさん「だから、今回の不動産で損したとしたら仕方がないし、勉強だと思えばいい。」とまでおっしゃっていました。
素晴らしい考え方をお持ちで、私自身、心が洗われる感じがしました。
いろんな話しを小一時間ほどさせてもらったついでに、私からは、こんな話し(下記の話し)もしてしまいました(笑)
先日当社に来店されたCさんが相続を受けた不動産の売却のことで相談がありました。
どうやら他の大手不動産仲介会社から「Cさんの物件は買い手がいませんので、ただならもらっても良いという人がいます。」と言われたそうです。
それに不信感をいただいたようで、Cさんは当社に相談に来られました。
私なりに不動産売却査定をしてCさんの了解を得て売り出し、満額で買主を見つけ、売物件の条件交渉、契約手続き、引き渡しの段取りまで全て準備したところ、契約締結数日前に契約なんてしない!と自分勝手なことを言い出し、挙句の果てに仲介手数料を無料にさせ(あまりに面倒くさいと思ったので、私から媒介契約を解除させてもらった)契約締結、引渡しまですべてのサポートを私に強要したのです。
Cさんは「私はお金などどうでもいいと思っている。亡き父たちから相続した不動産を大切にしたい。」と言っていた割に、私が提示した適正価格では売り出さず、私が提示した売却査定額の2倍で売り出しているのだから、ぶっ飛んでいます(笑)
それでいてなぜ売れないんだと言うんだからさらにぶっ飛んでいます。
CさんとAさんの人間性は、まったく別次元の感覚でした。
Aさんのように、平常心を持つ努力をして相手を思いやる気持ちを持っている人とお付き合いをしないといけないと思いました。
AさんはCさんについてズバリこう言いました。
「そういう人間って必ずいるんですよ。そういう人間は、松田さんだからということではなくて、どこの誰に対しても同じようなことをやっているので、いつか必ず痛い目を見るはずです。だから、そんなお客さんは相手にしちゃダメ。こういうお客様とは今後付き合わないようにして、達観してみると良いですよ。ははは(笑)」だってさ(笑)
まさに、その通りだと思います。
私自身、金輪際Cさんのような人間性の方と関係を持ちたくないので、今後、万が一連絡があってもアドバイスはしません(笑)
Aさんは、自分の利益はもちろん考えていますとも言ってました。
しかし、人をだまして自分の利益をむさぼるような人間になりたくないし、人の労力を値切って自分が得をしようと考える人は、人として最低だということを言っていました。
さらに、日本は、お金の教育を一切していないということもおかしい国だとも言っていました。
私は、Aさんが仰ることに対して全てが同じ思いでした。
ということで、Aさんとの出会いは、ある同業者さんからのご紹介でもあるのですが、こんな貴重な経験をさせてもらえること自体、とても感謝だと思います。
関係司法書士からの連絡を待って、しっかりと対応をしたいと思います。
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