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司法書士が地面師を見抜いた方法

不動産業界歴 約20年 松田の本音ブログ

士業

つい先日、不動産売買の決済をしました。
その際、立会をしてくれた司法書士の先生が、地面師との決済を3回ほどやったことがあるそうで、その3回とも売買代金残金の支払いを止めることができたという話しをしてくれました。

税金、財務省前のデモ、国債発行のウソ等に興味を持っている方で、決済スタート前時間にちょっと話をしたら、それはおもしろいこと(笑)

目次

地面師とは

【地面師】とは、土地の所有者になりすまして偽造書類を駆使しして、不正に土地を売却し『売却代金を得る詐欺師』のことです。こうした犯罪者を相手に、司法書士はクライアントの財産を守る最後の砦ともいえます。

実際現場のリアル

お断りですマーク

不動産売買の決済をするため、銀行のブースに一同が集まりました。
①売主(地面師)と宅建業者、②買主と宅建業者、③司法書士 です。

で、本人確認書類等をチェックしていくと、全て本物だったそうです。
しかし、ある書類一つだけ何かがおかしい、、、。
確証まであるわけではないけど、やっぱりおかしい気がする。

この書類は本物なのに、なぜ偽造と気が付いたのか、、、。
ここが司法書士の経験値と知識がものを言う場面です。

(司法書士)
書類の確認で、どうしても保険証だけは確認をしておきたいので、
本日の決済は中止し、明日再度執り行いたいと思います。

不動産営業マン

(宅建業者)
ちょっとちょっと、待ってくださいよ!
本人確認の書類もちゃんと出しているのに、なんで延期するんですか。
問題ないでしょ。
ちゃっちゃとやっちゃいましょうよ!
今日決済をやってくれないと困るんですよ!

(司法書士)
いえ、どうしてもこの書類が気になるのでご理解ください。

不動産営業マン

(宅建業者)
おいおい、勘弁してくださいよ~。
売主さんは問題ないですって。
ちゃんと確認してますから。

延期なんかしたら、売主さんも買主さんも怒っちゃいますよ。

(売主)(ヤバいと察知したため、、、、おだやかに)
いえいえ、司法書士の先生がそう判断したのなら、仕方がありませんよ。それが先生のお仕事ですから。今日はいったん解散して書類確認をしっかりしてください。そして明日また仕切り直しましょう。

司法書士が事務所に戻り、確認すると偽造だったことが発覚しました。
翌日、再度集まりましたが、売主だけが来ません。
電話にでません。住所地に行ってもいません。

やはりか、、、。

買主の被害額は、
①手付金 500万円
②中間金 1500万円(小切手) 合計2000万円となりました。

で、銀行振出の小切手は、小切手を持って銀行に行かなくてはならないので、詐欺師はなかなか持っていけません。
ですので、安い金額で暴力団に小切手を譲渡してしまったそうです。
暴力団がそれを換金する前に小切手を抑えて解決することができたそうです。

物件価格は億越えでしたが、実被害は500万円で済んだので不幸中の幸いと言えるのかもしれません。

本人確認書類などは全て本物だけど、全て偽物だった

青ざめる営業マン

司法書士の先生が見せてくれた書類がありました。
先生は話しのネタにできるように、カバンにそれらの書類をいつも入れているようです(笑)

地面師の偽造テクニックは半端ありません。
今回の司法書士の先生は、スマホに自分で作ったアプリをインストールしていて、免許証の偽造を見抜くそうです。
数多くの司法書士と手続きをしてきましたが、これは初めてでした。すごいと思いました。

で、当時確認した本人確認の書類の一部を見せてくれました。下記は、確認すべき書類。

1・免許証 これは本物でした。
2・保険証 これは偽物でした。
3・印鑑証明書 これは本物でした。
4・住民票 これは本物でした。
5・権利証 紛失していたそうなので司法書士が『本人確認情報』を作成していた。

で、保険証がなぜ偽物だとわかったのか?
なるほど、そういうことかぁ~。ということで発表したいのは山々なのですが、
ここではその理由は書けません(笑)

地面師対策は「疑う力」と「プロの責任感」

しっかり考える人

地面師を見抜くためには、司法書士としての専門知識と注意力、そして何より「疑う力」が必要です。
どんなに巧妙な手口でも、どこかに綻びがあるものです。

司法書士は、地面師に騙されないための不動産取引の最後の砦です。
地面師の手口は時代と共に進化していますが、基本的なチェックポイントを押さえれば、かなりの確率で防ぐことができます。

地面師と出会うことは稀でしょうけど、取引をするのに本当に大丈夫なのか、プロの責任はとても大きいものです。

士業

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