
このような信じ難い不備ある手続きは、現場の「リスク管理能力の不在」そのものです。解体、測量、清掃。すべての付随業務を「売却実務の一環」として厳格に管理・設計すること。それが資産を守るプロの責任です。
解体業者、痛恨のミス解体
数か月前に、不動産売買契約を締結し、引渡しを待っている土地(仮住所:府中市A町)があります。
この土地には古家があり、条件が成就したら現況で引き渡して買主様が解体する予定です。
しかし、引渡し条件が成就していないため、引渡し(所有権移転)ができません。
もしも、引渡し条件が成就しない場合には、白紙解除の可能性もあります。
売主様は一般のかた。
買主様は宅建業者。
買主様である宅建業者は、府中市B町でも土地の仕入れを行っていました。(B町の土地にも古家がありました。)
買主様は解体業者にA町とB町の解体見積もりをお願いしていましたが、今回は『B町の建物を解体して。』と指示をしました。
すると、、、。
Σ(・ロ・;)Σ(・ロ・;)Σ(・ロ・;)
なぬ~!!!
解体業者は、解体指示をしていないA町の家を壊し始めてしまったのです。
原因は、解体業者の単独ミスでした。
どうやら勘違いをしたようです。
解体が途中で止められた理由

対象不動産は、私道に面する土地でした。
そのため、解体が入る前に業者が近隣にご挨拶をするのが当たり前だと思います。
(私が手配をする解体業者さんは、原則近隣には必ず挨拶に行きます。)
ところが、買主様が手配していた解体業者さんは、
ホントかウソなのかわかりませんが、近隣の方曰く、挨拶をせずに現地に足場を組み上げ、解体作業に入ってしまったそうです。
それを見たとなりのAさんが怒鳴り上げました!
おこってるわよあなたたち、いったい誰の許可をもらって私道に入ってきてるのよ!
私は、工事に入るなんて聞いてないわよ!
即刻中止してちょうだい!
責任者を呼んできて!
現場作業員は自社に電話報告をした後に、買主様(宅建業者)に電話をしました。
すると、、、。
買主様(宅建業者)B町の解体の指示を出したのに、なんで指示をしていないA町の解体を始めてしまったんだ!
まだ所有権移転も終わってないし、これはまずいよ。
その流れで、買主様から私へ連絡が入った、というわけです。
私もそれなりにいろんな現場を扱っておりますが、自分が取引をしている不動産でこんなことが起こったのは初めてでした。
まずは現地確認が必要なので、現地を見に行きました。
あれ?解体が入ったと聞いていたのに壊れているのは玄関のコンクリートだけかな。
あれ?植栽の枝が切り落とされているけれど、これって以前からだったっけ?
思ったよりも破損が少ないと思いつつ、室内をチェックしたところ、大変なことになっていました。
※画像参照 (他の部屋も大変なことになっていました。)

室内の畳は泥だらけ。
庭先の剪定した樹が室内にぶち込んでありました。
はずされた網戸がぶち込まれていました。
窓ガラスがサッシごとなくなっていました。
障子が破損していました。
玄関前のコンクリートに20㎝四方の穴がありました。
ということで、買主様経由で、解体業者がどのような対応をするのか確認していただき、売主様にご報告をしました。
今後の対応

解体業者の完全ミスなので、原状回復をする方向で進めることになりました。
所有権移転が行われると、建物(古家)はどっちみち解体するので、原状回復をしても無駄になる可能性があります。
しかし、こういったミスを許し、なあなあにしてしまえば、解体業者の反省もなく、今後、同じような過ちを繰り返すかもしれません。
そんな事情も鑑み、解体業者に原状回復をしていただくことになりました。
売主様はとても温厚な方ですし、相手のことも考える方なので、このような趣旨のことを仰いました。
『後に壊すのだから、別に問題はないけれど、買主様(解体業者)がけじめと仰るのであれば、よろしくご対応ください。』
引き出し(経験値)が増えた

私の20年という不動産業界歴で『まちがえて隣の家を解体してしまった』なんてアホみたいな話は対岸の火事だと思っていました。
しかし、私が不動産売却を任された物件が解体されかかったというのは驚きでした。Σ(・ロ・;)
お向かいの方が
おこってるわよあなたたち、いったい誰の許可をもらって私道に入ってきてるのよ!
私は、工事に入るなんて聞いてないわよ!
即刻中止してちょうだい!
責任者を呼んできて!
と言わなかったら、今頃どうなっていたんだろう、と思うと、けっこうヤバい状況でした(笑)
ここは、もう、あえて笑ってしまうしかありません。
いろんな経験が増えるのは本当にありがたいことなのですが、こんな経験は増やしたくないものですね(笑)
不動産の売却では、建物の状態、解体の有無、隣地との関係、境界、越境、共有名義など、事前に確認しておきたいことがたくさんあります。
小さな行き違いや確認不足が、売却時のトラブルにつながることもあります。
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