不動産売出価格が高すぎて、ぶったまげたお話し【ほぼ実話】

ズバリだとまずいので、金額は少し変えています。
目次
土地(古家あり)の売却査定の依頼
当社では、毎月、不動産売却の査定依頼を10件くらいいただいているので、それなりに頑張って査定書を作成しています。そして、、、たまに驚くことがあります。 Σ(・□・;)
ついこの前、土地の査定をしてほしいという依頼がありました。
『実際に成約をしている事例』を用いて取引事例比較法で(AIを使って)査定をしたところ、3,350万円くらいの査定額になりました。
対象不動産の周辺相場や地域性、街並みは把握していますから、査定額3,350万円はやや厳しめかなと思いましたが、机上査定なのでそこまで厳密には行いません。
あくまで、『机上』だからです。
せっかくなので、売出し中の物件資料も付けてあげよう♪と思い調べてみると、なんと現在、仲介大手さんが売り出している物件でした。
(。´・ω・)? 売り出しているのに、なんで査定依頼するんかい?
仲介大手さんで売れないことに『疑問を持ったかもしれない共有者』が当社に査定依頼をしてきたというのが理由なのかなと思いました。
査定書をポストに投函する約束をしたので、道中を観察しながら向かうと、前面道路は私道で街並み全体の舗装が悪い状態でした。周辺を『無の心境』で観察すると、マイナス評価になることは否めなかったので、3,350万円(更地で)でも厳しいかもなぁという雰囲気が感じ取れました。と言っても、周辺が割と高い金額で売りに出ているので、もしかするともう少し高く売れるケースもあるかもな、、、という感じでした。
この物件、売出価格は4,400万円くらいです。(´・ω・`)
お見事!成約した価格

査定金額よりも1,000万円超も高く売り出されているのは、多くの場合は不動産仲介業者の囲い込み作戦です。
他社に客付させないという手法です。
売主様、そして買主様の利益をおざなりにしないようにアドバイスをしてあげたいものです。
さて、気になる成約価格はなんと!3,400万円。(松田の査定額はおおむね正解でした。)
概ね1,000万円も下の金額で成約をしていました。
もし、最初から適正価格にもっと近いところで売り出していたら、たくさんの購入希望客にアプローチできたのではないでしょうか。それによって、買主は全然違う人になっていた可能性は大ですし、もっと早く売れていたのではないでしょうか。私はそう思います。
『査定金額の125%で売りに出せます』という売れもしない巧妙な営業トーク

以前競合した仲介大手の担当者さんは、売主様にこういったそうです(笑)
「本社が、私がいつもがんばっていることを評価してくれたので、今回は特別に査定金額の125%で売りだすことを許可してくれました。ぜひ、私に売却を任せてください!お願いします!」
これ、チャレンジ価格なんですが、ほんと意味不明です(笑)
でも、そんなことを言われると、なんとなくその気になっちゃう人もいるわけです。
例えば、
4,000万円の査定なら5,000万円で売り出せます、ってことです。
10,000万円の査定なら12,500万円で売り出せます、ってことです。
いくらで売り出そうと自由なんですが、ほんとうに売れると思います?
あなたが買主だったら、買いたいと手を上げますか?
人としてのその感覚が大切なのです。
売主様が気が付かず、業界を不透明にしている?としたら、、、

売主様にとって、より良い条件で売れればうれしいのは当然のことです。
しかし、そこには買主様がいて、合意をして初めて成約をします。
合意をする買主は、それこそあらゆる宅建業者の先にお客様として存在しています。
だから、こういう人たちにも平等に購入ができるチャンスを提供する事も、我々宅建業者の責任でもあります。
けっきょく、今回のケースでは売価を下げることが適正な流通を促すわけですが、仲介業者が、異常な価格で売り出させる理由がなぜなのか、気がついてほしいのです。
細かく言うと理屈っぽくなるので省略しますが、常識的な範囲で買主様の立場に立って考えてあげることも重要なことだと私は思います。
今回の場合、4,400万円で売り出すというのはあまりに異常だと思いますね。
ちなみに府中市内で、坪単価230万円くらいの場所で、坪900万円で売り出している大手仲介さんもいます。
これもまた、売れないのをわかっていて売り出しているわけです。売主様が要望しているとはさすがに思えません、、、。
ほんと、プロとしての倫理観がまるでないんですね。
結論、業界が悪くならないためにも『適正な価格は大切』です

そもそもです。
一般の買主が、4,400万円で売り出されている物件に対して、1,000万円も値引きしてほしいと言うでしょうか?
絶対に言うわけがありません。
ということは、仲介業者が、うまいウソでコントロールしているわけです。
円滑な不動産流通という使命感、考えなどはなく、自社だけ利益が上がればよいと考えて行動しているのです。
信義則もくそもないわけです。そんな仲介業者ばかりになったら、また一昔前の業界に戻ってしまいます。
というか、すでに戻っていってんだな、、、。
こういう営業が当たり前だと教わる新人君たちは不幸だよね。
人のことを考えられず、自分の利益しか考えることができない『視野の狭い人』のほうが会社で高く評価される、という変な世の中になります。
こういった営業は、真摯な人がやることではないと思います。
売出価格の設定は、売主様のためにも、買主様のためにも、妥当性のある金額設定が大切だと私は思います。
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