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マンションの立体駐車場は共用部分とは限らない|実務で実際にあった注意事例

不動産業界歴 約21年 松田の本音ブログ

結論から言うと、立体駐車場は見た目で判断してはいけません。
共用に見えても、特定の個人が所有しているケースは実在します。
その場合、修繕費・更新費の負担関係は大きく変わります。

マンションの立体駐車場は「共用部分」と思われがちですが、実務の現場では必ずしもそうとは限りません。
今回は、実際に相談を受けた事例をもとに、

・なぜ立体駐車場が個人所有になっていたのか
・修繕費や更新費は誰が負担するのか
・売却・購入時に何を確認すべきか

を、一般論と実務の両面から解説します。


目次

よくある誤解|立体駐車場=共用部分?

立体駐車場が共用部分だと誤解されやすい理由は、外観上、建物と一体で「共用設備」に見えるからです。
実は、私自身も最初の現地確認では共用部分だと思いました。

しかし、「共用に見える」という印象だけで判断すると、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があります。仮に共用部分であれば、修繕費や更新費は区分所有者全員で負担しますが、その場合、車を持っていない方にとっては、実質的に不要なコスト負担になるとも言えます。

そのため、売買仲介を行う宅建業者には、登記、管理規約や管理会社へ確認をとり、権利関係を正確に説明する義務があります。


実務で実際にあったケース(※首都圏での相談事例)

マンション敷地内にある立体駐車場は、見た目上は完全に共用設備でした。
ところが区分所有者である売主様から、次のような話を聞きました。

「立体駐車場は個人の所有物なのに、なぜか私たちにも固定資産税がかかっていて困っています。」

私は思いました。
10階建て相当の大きな立体駐車場が個人所有とは考えにくくちょっと信じられませんでした。
そのため役所、法務局、管理会社、現地管理人に調査を行いました。

その結果、立体駐車場は附属建物でも共用部分でもなく、特定の1人の単独所有として登記されており、維持管理費用もこの単独所有者が負担していることが判明しました。


なぜ個人所有になっていたのか(考えられる理由)

このようなケースでは、分譲時に次のような意図があったと考えられます。

・元地権者が駐車場賃料による収益を見込んでいた
・元地権者が将来の売却資産として確保していた
・管理組合との関係を切り離した方が有利と判断した

一見メリットがあるように見えますが、実際には高額なメンテナンス費用や解体費用が発生し、期待した価格で売却できないケースも少なくありません。どちらかというと負動産になってしまった印象です。


修繕費・更新費などは誰が払うのか

特定の個人が立体駐車場を所有している場合、必ず問題になるのが費用負担です。
結論から言うと、費用負担は次の順で判断されます。

  1. 区分所有法の原則
  2. 管理規約の定め

区分所有法では、
・専有部分の修繕費は所有者負担、
・共用部分は区分所有者全員負担とされています。

今回のように、
・共用部分ではない
・附属建物でもない
・特定個人の単独所有
という場合、修繕費や更新費は原則として所有者負担です。

ただし、管理規約で別の定めがある場合は、その内容が優先されますが、規約には『共用部分のうち●条に掲げる立体駐車場部分の外壁表層部と躯体は立体駐車場部分の区分所有者がその責任で負担をしなければならない。』と明確に記載されていました。

私からすると、これほど恐ろしい文言はありません。


修繕積立金との関係と注意点

修繕積立金は本来、共用部分の将来修繕のための資金です。
そのため、個人所有の立体駐車場は原則として対象外です。
もし故障したときの費用負担はとんでもないことになりそうですし、それを単独で負担するのはあまりに無謀にすら思います。

もし、規約が曖昧な場合、修繕のたびに「誰がこのコストを支払うのか」で大きなトラブルになりますが、「当該所有者から別途積み立てる」と定めている場合は例外となります。この仕組みが無い場合、更新時に数百万円〜数千万円の一括負担が発生するため、現実的に対応できなくなるリスクがあります。


トラブルになりやすいポイント

特定個人所有の立体駐車場では、次のような問題が起きがちです。

・更新費用が高額で工事が先送りされる
・管理組合が安全面に関与できない
・売却や相続時に事情が正しく伝わらない

問題の本質は設備ではなく、「誰が決めて、誰が払うか」が整理されていない場合のデメリットにあります。


まとめ

立体駐車場は、見た目だけで共用部分と判断ができません。

・修繕費の原則は所有者負担
・例外は管理規約の定め
・購入・売却時は登記と管理規約を必ず確認

特定個人所有の立体駐車場は、取引前に理解しておくべき重要な論点になります。

よくある質問(FAQ)

共用に見える立体駐車場でも、本当に個人所有のことはあるのですか?

あります。登記上、共用部分でも附属建物でもなく、特定個人の単独所有として登記されているケースが実際に存在します。外観や利用実態だけで判断するのは危険です。

不動産売却のご相談はこちら

■この記事を書いた人■

松田博行 (東京都府中市在住)
株式会社わいわいアットホーム 代表取締役
東京都府中市を拠点とする「住まいと資産の総合実務家」。
著書『不動産・相続・終活のホントのところ』(令和8年1月11日出版)。

≪保有資格等≫
●公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士/エバリュエーション専門士)
●宅地建物取引士 ●宅建マイスター ●損害保険募集人 ●シニアライフカウンセラー上級

≪活動エリア≫
東京都府中市を中心に多摩地区全域、東京23区

≪得意分野≫
相続不動産の売却・活用、空き家対策、測量・解体・建築までのワンストップ対応。『不動産売買・相続・終活の相談窓口』として人生まるっとサポート

≪こんな人≫
4人家族のパパで府中市内に在住。
サラリーマン時代、会社が不動産を爆買いして倒産。
『不動産知識とお金』が人生を左右させることを痛感。
自分自身が不動産を学び、教える側になれば、自分の存在意義になると確信。
常に正直がモットーであり、不動産業界の不正に屈しません。

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