『死んじゃった』が原因の不動産贈与、相続の話し【府中市の不動産屋さん】
目次
賃貸の募集やってちょうだいから、、、
以前のこと。
府中市内の母親Aさんから、賃貸の募集をやってほしいという依頼がありました。
リフォームもしていないというので、リフォーム屋さんと現地を見て見積もりをしました。
希望される募集家賃に対し間取りはなかなか良い物件です。
Aさんは「借りてくれる人いるかしら~。」と言っていました(笑)
この物件の所有者は誰ですか?と質問すると、
「私を含めて4人のものなんだけど、私が死んじゃうまでは賃貸に出して家賃収入をすべて私の生活費に充てていいわよ、って言われてるのよ。ほんとありがたいわ~。」と言われました。
自分が死んじゃったら・・・と言うことをあっけらか~んと言うので、Aさんのお子さんたちも話がしやすいんだろうなぁと思わずにはいられません(笑)
その反面『私を含めて4人のものなんだけど、私が死んじゃうまでは賃貸に出して家賃収入をすべて私の生活費に充てていいわよ』と聞いた時、ん?共有名義であれば家賃を独り占めにすると贈与の問題があるのでは?と思いましたが、登記簿を取得して所有者を確認すると所有者はAさん1人でした。
(;´∀`) 安心しました。
『死因贈与契約による仮登記』がついていました
登記を見ると、
現所有者は母親Aさんで、始期付所有権移転仮登記されていました。
ようするに『母親Aさんが亡くなったら贈与契約に基づいてプレゼントするよ』という仮の登記をしていたのです。
自分の財産を相続させるときに、みんなに喧嘩をさせたくない、という親心なんだろうと思いますが、不動産を共有にすること自体は、ほんとうはあまりよろしくありません。
登記に絡めて、他に契約書や遺言書などがちゃんと用意されているのでしょうから特段の心配はないと思うので、あまり詮索しないほうが良いと思っています。
ここ数年、相続関連の相談が増えておりますが、ご家庭によってはけっこうもめることが多いです。
勘定面の争いもありますが、どちらかというと感情面です。
親の最後まで看病し看取った人とそうでない人。
法律的解釈で言えば、相続の権利に差は生じません。
(これが法律というもので、感情面はほぼ無視されます。)
だからこそ、余計に感情面でぶつかり合ってしまうのですが、お互いが主張をし過ぎてもうまくいかないのでお互いの引き際も肝心です。一般常識、社会通念なども考慮してお話しをまとめていくことになります。
Aさんは自分の死後、お子さんたちがケンカしないように予め準備をしている(=つまり終活している)ことはとても素敵なことです。
相続の話しを子供からすることは、資産(お金、不動産、株など)をタダでもらうという話しでもあるので、なんとなく汚い、ずるい、セコイ、欲張りな話しだと思われがちです。
子供は立場的に、親に聞きづらいと言う心理があるので、親から率先して相続の話しをすることが『子孝行なこと』なんだと私は思っています。
自分が残した財産で子供たちが幸せになってくれるのですから、私が死ぬほうの当事者なら、未来の相続のことを笑いながらしますよ(笑)
みなさんにとって、自分の死んだ後のお金の分配の話し(相続の話)をするのはイヤなことでしょうか、、、。