今日は1年以上にわたる立退きからの売却完了です【府中市の不動産屋さん】
目次
1年半くらいかかって、不動産売却が完了です
こちら2軒の白い建物の解体と土地売却がようやく完了しました。
なんと初回のご相談から1年半くらいかかりました。
左は母屋ですが、雨漏り、建物の傾き、建具が動かない、風通し最高、ちゅーちゅーさんの闊歩etc,,,
右は一棟四戸、築年昭和30年くらいのアパートで、こちらは壁がぼろっと落ちていたり、雨漏り、ちゅーちゅーさんの闊歩etc…
それぞれ難ありの建物でした。
売却を依頼されていた途中で売却に向けての活動が一切できなくなってしまいました。
その一番の理由は、コロナの影響で、緊急事態宣言が発出されてしまったからです。
賃借人様へ、いわゆる立退きのお願い
賃借人さんは、80歳超のおばあちゃんと、70歳代と60歳後半の同居の方、合計2世帯でした。
建物の状態がとても悪く、ここに住み続けることはリスクでしかないので、引越し先を探しますのでと丁寧に説明し、ご協力をお願いして、引越し先を探すことになりました。
コロナ禍の影響があって進捗できず
物件紹介を開始しようとすると、コロナウイルスが席巻し始めました。
昨年の寒い時期は、コロナウイルスがどんなウイルスかもわかりませんでしたから、ご高齢の方を物件見学と称して連れまわすのは、とてもはばかられました。
そして、緊急事態宣言も発出されたので、これはもう無理、、、。
ということでしばらく静観し、緊急事態宣言が解除されてからようやく動き始めることが出来ました。
ここからは、私の目線では順調です。
二転三転する賃借人
賃貸物件の紹介を始めるタイミングの時、なぜかわからないのですが、私は「悪人」評価されていたのです、、、。
追い出しをしようとしているとか、ウソを言って、けしかけているみたいな感じです。
2世帯のおばあちゃん同士で「大家さんが引っ越さないでもいいって」と言っていたとか、
「松田に騙されているんじゃないか」とか、
憶測が飛び交い、さらには、同居されている方が体調を崩して入院してしまったとか、住み続ける権利があるはずだ、とか、なんだか、とにかく引越しをしたくないと言い出しました。
う~む(==;)
建物が傾いていて、基礎そのものが崩れるかもしれないようにも見えますし、地震が来たら非常に危ないにもかかわらず「無理やり引越させるなら、私はここで死んでやる!」くらいの雰囲気のことを言われ、いやいや、本当に参った場面もありました(笑)
それでも私は、心底、この状態は危険でしかないと本気で思っていましたので、みなさんの為なんですと、理解を求めて何回も何回も説明しご理解をいただくことになりました。
しかし、賃借人さんたちは本気で理解しているのではなく、どちらかと言えば、あきらめの気持ちだったのだろうと思います。
本当は引越たくないけど、建物が危険という理由のため、やむなく出るしかない、と自覚をしていただいたというのが本当のところかもしれません。
しかし「絶対に引越なんかしたくない!」と言われたときには、いやいや、困ったなぁ、、、どうしてこんなにわがままを言うのだろう、、、、。
建物の現状を冷静に見て考えれば、理解できない話しではないのに、、、、。
そう思うこともしばしばありました。
引越し先の難航
ご高齢の方は、引越し先はなかなか見つかりません。
(もちろん、高齢者住宅でも良くて、かつ比較的高額な家賃が払えるのであれば別です。)
引越し先が、なかなか見つからない理由は簡単です。
大家さんは賃貸ビジネスをしているので、口に衣を着せないで言ってしまえば、近い将来、もしかして死んでしまうかもしれないというリスクを抱えている高齢者には、できるだけ貸したくないのです。
万一孤独死があると、資産価値が大きく目減りしてしまう可能性があるからです。
お亡くなりになった人は、その責任は取ってくれません。
だから、貸す側にしてみれば、リスクばかりをしょい込むことになり、大変なのです。
雑談話しです
賃貸派の人は、ここでよく考えてほしいのです。
どんなに築浅物件に住んでいても、いずれは老朽化して立て直しをしなくてはいけない時が来たとき、否応なしに立退きに合うのです。その時、引越し先がありますか?お住まいは確保できますか?その時のご年収はどうですか?最悪、引越し先が見つからないとき、覚悟してホームレス(マンガ喫茶宿泊etc…)になりますか?
究極、こういった状況に陥る可能性があるのです。
これは、本当に怖いものです。
不動産を購入できるのであれば、住宅ローンを利用される人(頭金なし、もしくは少ない)であれば、遅くとも45歳くらいまでには不動産購入をしたほうが良いというのが本当の現実だと私は思います。
ただし、、、ご実家があるとかで、いつか帰る場所が確保されているのであれば、それはまた別です。
しかし、全員が全員そうではありません。
かくいう私も実家はもうありません。
自分で資産形成をするしかないという背水の陣になっていますから、自分のできる範囲で自分と家族のためにそれなりにがんばっています(笑)
と言うことで、該当しそうな間取りの物件が見つかりましたが、交渉した数、約100件以上。
その中で高齢者でも引き受けてくれる大家さんがたったの3名でした。
そして、引越し先を確保することができました。
よく、ここまで対応する私です、、、。
土地測量
法務局には、土地の地積測量図の備え付けがありませんでした。
そのため測量も難航し4~5か月くらいかかりました。
まったくもって、いつ終わるのかなと思いましたが、行政との調整がいろいろあったようで大変だったようです。
相続登記がありました
この不動産の売却相談があった時、相続登記が未了の状態で、手続きが結構難しかったらしく、とても手間がかかりました。
と言うのも、相続人ご本人がご自身で手続きをしたいと言うので、専門家を頼まずにやっただけに、えらく時間がかかったのです。(ご本人が申請したことを非難しているのではなく、法務局等の対応もどうもおかしかったのです。)
その後、この短期間にもう一度相続が発生したため、さらに相続登記が必要になり、これまた手続きが増えてしまいました。
不用品回収、建物解体、地中埋設物撤去、整地
出るわ出るさ、たくさんの不用品がありました。
私もそれなりにいろんな物件を見ていますが、今回はダントツで、一番多かったと思います。
家の中、敷地内、地階部分の空間の中にも、当時の建築廃材など山盛りでした。
それをまずは撤去し、その後、建物を解体、そして構造躯体(基礎部分)を撤去しました。その後、地中の埋設物等を撤去しましたが、ものすごい量でした。結局、この一連の作業で1,000万円まではいきませんでしたが、それに匹敵するほどのお金がかかりました。
不用品等がある人は、家にため込まず、まめに処分することが大切ですね。
越境物の撤去
空中で、NTTの架線、東京電力の架線、東京電力のボックスなど、いろんなものが敷地内上空を通過していました。
隣地のエアコン室外機も対象地内へ越境してました。
ということで、一つ一つ確認をして越境を解消する手続きを進め、これも3~4か月くらいかけてようやく撤去移設が完了しました。手続きも含め時間がかかりすぎです、、、。
擁壁の再築造
建物等の解体と合わせて、擁壁も作りました。
となりの敷地との高低差が3mくらいあるので、崩壊しないように早く擁壁を取り付けた方が良いので速やかに行いました。
引渡完了
そして、建物解体、売却、賃借人対応について相談があってから、1年半くらいたち、ようやく引き渡しが完了しました。
今回は、不動産仲介取引の中でもフルスペックのようなお取引になり、まさに不動産仲介取引の縮図のような形になっていました。
コロナに翻弄され、長期となってしまいましたが、売主様自身も困っていたことが解決でき、満面の笑みでした。
こうやって、ようやく次の業務となりますが、引き続き別件でサポートを要望されていますので、またまた、別件をお手伝いすることになります。
こうやって、いろんな人とのつながりから、次の業務をさせていただけるので、人のご縁って本当にありがたいなと思います。
そして、微力ながら、誠実な対応でこれからもしっかりと対応して、沢山の方々に喜ばれる自分になれるように、さらに自己研鑽をしていきたいと思います!
長丁場、本当に良い経験となりました!
ありがとうございました!
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