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勝手に設置された境界標。それは事件です【府中市の不動産屋さん】

不動産業界歴 約20年 松田の本音ブログ

境界標
目次

隣接地のAさんからヘビーな苦情

約1年ちょっと前にお取引をした土地があります。
大きな土地だったので宅建業者さんに購入して頂き、その後分割して分譲されました。
そして、つい先日、その土地のお隣さん(Aさん)から電話が入りました。

おこってるわよ

『数日前に気がついたんだけど、勝手に境界標が設置されていて、うちの土地が侵害されているのよ!!』

当社が土地の仲介をした当時は、すべき責任はすべて完結しているので、今の段階までくると当社の責任は一切ないし当社が対応すべきことではないのですが、困っているAさんのことを考えると無視をするのは『人の道』に反すると思います。
電話では意思疎通が難しいので、百聞は一見に如かず!ということですぐに現地を確認することにしました。

すぐに現地を確認

訳が分からない営業マン

現地を確認しました。本来は両端2か所だけに境界標があるはずです。
まず1つ目の境界標は、地中にコンクリート境界標杭が埋まっている場所ですが、新設されたブロック塀とフェンスがあるため見えなくなっています。そのためなのかブロック塀の上に境界標(金属プレート)を新たに設置してありました。

ところが、この境界標(金属プレート)はAさんの立会いもなく、勝手に設置されているようなのです。
(;一_一)

もう1つの境界鋲は、ブロック塀を新設するときに取れてしまっているようでした。
しかし、復元された新しい境界鋲の設置の時も立会いを求められなかったそうです。
ということは、この2点について、本当に正しい位置なのかわからないわけです。
これは、まずいです。

私が仲介した約1年ちょっと前にはこんな金属プレートと境界鋲は存在しなかったので、当時の測量資料と、測量士に確認したうえで『後日勝手に設置されたものであること』は確認済みです。

あるはずのない位置にも謎の境界標があります

境界標

さらに、ブロック塀の中間部分にも本来境界標が存在しないはずの位置に境界標(金属プレート)が設置されています。

それなりの長年、不動産仲介業界にいますが、この境界標が何の目的で設置されているのかわかりません。

謎です、、、。

あり得るとすると、隣地との境のラインがわかるようにということなのかもしれませんが、通常そういった境界標を付けることはありません。

しかも、この境界標(金属プレート)もAさんの立会いもなく、勝手に設置されているのです。
これは、大問題です。

そしてもう一つの問題は、鋭利な刃物(金属プレート)が、Aさんの土地側にむき出し状態になっていることです。
これは、隣地のAさんからしたら危ないとしか言えません。
万が一、この近くで転んで、額でも大きく切ったりしたらと想像しただけで、身震いをしてしまいます。

こんな危険な境界標をAさんに無断で設置していることはとんでもない事なのです。

『境界標』は土地家屋調査士以外は設置してはいけない

土地家屋調査士

冷静に考えればわかることなのですが、自分勝手に境界を設置すると、相手側の土地を不法利用する行為になりかねません。ですから、国家資格を持った専門家に依頼する必要があるわけです。

その専門家が『土地家屋調査士』という士業になります。

境界標を勝手に設置すると?

民法223条「土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。」とされており、境界標を設置する場合には、隣接する所有者と協力して設置ができるとなっています。

もし、隣接する所有者の承諾を得ることなく境界標を設置した場合、
刑法235条の2「不動産侵奪罪(ふどうさんしんだつざい)」になる可能性があります。

刑法第235条の2(不動産侵奪)

他人の不動産を侵奪した者は、10年以下の懲役に処する。
はい。厳しい処分です。

勝手に設置された境界標は、勝手に撤去できるのか?

勝手に設置されたからと言って、Aさんが勝手に境界標を撤去したりすると、これもまた大問題になります。
というのは、刑法第262条の2の『境界損壊罪(きょうかいそんかいざい)』にあたる可能性があります。

刑法第262条の2(境界損壊)

境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
はい。こちらも厳しい処分です。

法律とは、本当に複雑ですね。
悪いことをされたからと言って、仕返しをすれば、これもまた犯罪になるというわけです。
倫理観を持っていれば、なんとなくでも、法律条文の根拠がわかるようになるはずです。

ハウスメーカー。これは●罪行為であるのですけど、、、

囚人

結局、この境界標は誰が設置したのか、、、。

時系列で確認をすると『あるハウスメーカーの資格のない人』がある目的のために、一時的に設置したということがわかりました。

詳細は内緒にしておきますが、これは、ハッキリ言って完全に“黒”

無自覚でやっているはずもなく、これはほんとうにやばいことです。
ということは、このハウスメーカーがいいかげんである、ということになります。

おそらく、やっている当人は、平気平気くらいの認識しか持っていないのでしょうけど『そういった軽い気持ちでやったことが犯罪になる』こともあるということを、もう少し自覚したらどうなのだろうか、と思います。

会社本体は、コンプライアンス遵守ということを考えて運営していますが、ノルマをかけられている営業マンはそうはいきません。
多少のことなら簡単に誤魔化せるくらいの気持ちなのでしょう。

でも、今回は、ちょっと話が違います。隣接地のAさんは、かなり怒っています。
しかも、境界標が正しい位置に設置されているのか調べるため、測量士を再手配して再測量を行っている最中です。
つまり、測量費用が発生してしまったのです。

このハウスメーカーは、下手すると行政から何かしらの処分があるかもしれません、、、。

こういった行為をする人たちは、なぜ、犯罪行為になるかもしれないと想像を働かすことができないのでしょうか。
それは、厳しいノルマ(建築会社であれば期間を短縮すること)が課せられていて、そのノルマに耐えきれない社員だったり、上司から詰めに詰められて、こういった行為をしたり、もう一つの可能性としてはそういった知識を持ち合わせていない、、、ということも考えられるかもしれません。

しかしです、、、、。やってしまったのは一定の立場にある人のようなので、もし本当だとすれば、完全に黒です。

私から、ハウスメーカー側へは、相当ヤバい事をやっていることを連絡するとともに、大問題に発展する可能性を口添えしておきましたが、責任のない私からすると、どうなることやらです。

このハウスメーカーは、タレントを起用してTVCMをバンバンやっている『大きい会社』の関連会社です。
誰もが名前を聞けばわかるような会社であっても、正しい事を行っているとは限らないということが今回露呈してしまった、ということになります。

いろんな意味で、お取引する相手は気をつけて選定しましょうね、、、。
といっても、無理なのかもしれません、、、。

困ったときは、当社に相談をいただければ、いろんな予備知識を知りながら取引ができる、という点で安心だと思います。

【数日後の追記】決着・・・・・・

考えるおじさん 

困った人をほっとけない松田が間に入り、交通整理をした結果、隣地の家を建築したハウスメーカーが勝手にやったことであることが判明しました。

しかも、無資格者が隣地の人に確認もせずに勝手行った行為だったことが判明しました。
大したことないと思う人がいるかもしれませんが、大問題です。
なぜなら不動産侵奪罪(ふどうさんしんだつざい)になる可能性があるからです。

さらに、こういう部分でテキトーであるということは、建物施工についても法令順守していない可能性があるわけです。これ、本腰入れて詰めていけば、けっこう波及していく問題であると思います。

ハウスメーカーは隣地の方に謝罪に行きましたが、私がいなければ、たぶんこの短いスパンで解決することはなかったのだろうと思います。というのも、素人が相手であれば、いくらでも誤魔化すことが可能になるからです。

なぜ、このようなことになるのか、、、。

それは、テキトーにやっても誤魔化すことができるという現場主義がのさばっているからです。
じゃ、なぜのさばるのかというと、無理なノルマ体質があるからです。

ということは、、、、、。

会社は、ルールを遵守することを常に指導していく必要があり、正しい事を指導できる会社でなければ、社会的存在意義もないということになるのだと思います。

私のようなプロが介在したことで
『誤魔化しがきかない』ことを相手が理解したので、スピードが速いと言えるのだと思います。

境界標

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