
危険負担のこと
今回は「危険負担」について勉強してみましょう。
質問 : 売主Aさんと買主Bさんとの間で、Aさんの家を3,000万円で売る不動産売買契約がなされました。
その後、雷が落ちて、あるいは地震が発生した結果、Aさんの家が滅失してしまいました。
いずれも当事者であるAさんBさん双方の落ち度ではない状況で、家を引き渡せなくなってしまった、というケースです。
このような場合、買主Bさんは物件の引き渡しを受ける事ができないかもしれないのに、代金3,000万円の支払いに拒むことはできないのでしょうか?
こういった問題を「危険負担」といい、雷、地震、火災などによる災害によって、物件滅失のリスクを、AさんとBさんのどちらが(損害)負担するのか、という趣旨になります。
この結果は、引き渡しをすでに終えているか、まだなのかによって異なります。
不動産の契約では、まず
1.不動産売買をする約束をします。(契約締結)
2.その後、引き渡しをします(決済)
というのが超ざっくりした流れですが、
通常、問題になるのは
「1.売買の約束」をした後で
「2.引渡し日」を迎えるまでの間に建物が滅失した場合です。
不動産売買契約後の危険負担は、売主が負担するが原則

民法上の解釈では、不動産売買契約締結し引き渡しをするまでの滅失等について、この危険に対する費用負担(建物を建て直す等の費用)は、売主Aさんが負担することになります。
当事者のAさんBさん双方の責めに帰すことができない事由によって、債務を履行することができなくなったときは、債権者である買主Bさんは、反対給付の履行(=売買代金の支払いのこと)を拒むことができます。
これまた、理屈を考えれば当然のことですね。
したがって、Bさんは、代金3,000万円の支払いを拒めるのです。
物件を引渡した後の危険負担は、誰負担?

不動産売買の取引では、所有権移転登記の有無にかかわらず、売買代金を全額支払った瞬間に、所有権が移転することになっています。
この場合、その後の責任はすべて買主Bさんにあるのは誰が考えても明白です。
しかし、代金を支払っていないのに、物件の引き渡しを先にしてしまうケースが稀にあります。
例えば、買主Bさんの家族の通勤通学の事情があるため、売主Aさんにお願いをして、代金の支払いが完了していない段階で、AさんがBさんにこの家を引き渡してもらったとします。
その後、雷や地震火災などによって家が滅失したときは、買主Bさんは契約を解除ができず、また、その危険を負担することになるので、代金3,000万円の支払いを拒むことができません。
これも、当然と言えば当然だと思います。
なぜなら「代金はまだ払ってないけど、支払いは確実にするから、先に引越しを済ませてもよいですか? はい良いですよ。」という約束があったと解されるからです。
これは最近の法改正によって改正された事項です。
こういった法改正は、一般の皆さんが知らないことだと思います。
法律は、口約束よりも優先されることなのに、みなさんが知らない(一般に広く喧伝されていないように感じる)というのは、どうなんだろうと思いますが、本来、法律を作る意義は、より良い社会を作るというのが目的だったりもしますので、ある程度は皆さんもアンテナを張っておくと良い事もあると思います。
と感じながらも、そんな普段の日常に接点がない法律を知っていても、自分の生活に直接的に影響することも多くないので、そういったことは都度、宅建のプロにご質問する方が早いです(笑)
どんなことでもご質問をいただければと思います。
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