不動産投資、だまされるな【府中市の不動産屋さん】
目次
不動産投資で『いばらの道』に進む人たち
私、松田は不動産屋さんです。
不動産投資については、賛成でもあるし反対でもありますが、不動産投資はしないほうが良いと説明することが多いです。
こんな商売っ気のない事をいうと、あなたは不動産屋さんじゃないの?と思われるかもしれませんが、商売は二の次です。
なぜなら私には、『相談者の人生を棒にふるようなアドバイスをして、自分の私腹だけ肥やせばよい』なんて思考回路がないからです。
当社には、過去、不動産投資で騙された人が何人もご相談に来ていて、返済残高と売却可能想定金額を計算すると、大赤字の人がほとんどで、マイナス1,000万円以上の方もいました。
不動産投資の甘い言葉
不動産投資をする前に、私のアドバイスを聞ける人はラッキーです。
無理をすると、ランニングコスト地獄に陥り、どう転んでも大きな損失が確定します。
甘い言葉を信じて印鑑をついてしまうことは絶対にやめてください。
①将来年金のウソ
将来の自分がもらえる年金はいくらか知ってますか?
私の場合、今のまま行くと、たぶん年間で75~80万円くらいみたい(笑)
月額6.5万円程度。これでは、まともな生活はできないと思います。
真冬でも真夏でもエアコンは使えない可能性大です。
不動産投資営業マンは、みなさんの将来不安をあおって安心を提供しているつもりかもしれませんが、購入したが最後、さらに恐ろしい現実が待っていることもあります。
不動産投資で失敗する人は、トータルコストを想定できていません。
それも仕方がありません。知識がないのですから。
毎月の収入は家賃しかありません。
それに対し、、、
毎月ローン返済 数万円
設備不具合の修理 数万円
入退去時の修理清掃 数万円
約10年後くらいの設備交換 数十万円
1棟ものなら外壁塗装などで100万円超
その他、固定資産税等、修繕積立金等、賃貸管理手数料、仲介手数料、サブリース料などなど、挙げればきりがありません。
こういった諸々の費用を考慮すると、毎月の利益はあるんでしょうか。
そう!
ほとんどの方は家賃収入では支出を賄えないので、ご自分の給料でローン返済をする事になります。
35年という長~い期間です。(※借りた年月によります)
家賃は年数とともに下落するのが一般的です。
ローン返済額は減額することはありませんから、さらに持ち出しが増える未来しか想像できません。
将来の年金をもらうために、どれだけの赤字を垂れ流し、精神的ストレスを常に持ち続け、旅行にも行けず、家族に外食もさせてあげることもできない。
そんな未来にならないよう、今一度、冷静に考えてほしいものです。
もし3000万円を2%で借りて35年返済すると、順調に完済しても利息だけで1174万円にもなります。
仮に年間80万円の年金をもらえる計算ですと、1174万円を回収するのに、14年半かかります。
他のランニングコストはこの計算に入っていないのでもろもろ出費を考慮すると、年金20年分を前借りして利息に充てただけとも言えます。
●●年後に売却して利益を確定する事も可能ですが、今まで支払った金額やリスクに見合うような金額になりますか?よくよく考えてください。
②節税になりますのウソ
減価償却費と収支赤字分の確定申告をすれば、そのうちの数%の還付を受けることが出来ます。
たったの数%です。
たったの数%で節税で得をした!と言えるほどプラスになるのでしょうか。
マイナスが大きくて、プラスになる要素はあまりありません。
税務のことは私は断定的なことを言えないので、このあたりでストップしておきます(笑)
③住宅ローン利用、みんなやってますのウソ
「住宅ローンを利用して、不動産投資をやるのは普通のことです。あまり大っぴらには言えませんけど。」
と当たり前のように言っている営業マンがいるらしいです。
特に新築マンション投資をおすすめする業者は、住宅ローン金利が低いので、儲かりますよと言うそうです。
トンデモ論ですね(笑)
住宅ローンは、自分が住むお家を買う人のために金利が超低く抑えられている政策的なローンです。
それに違反するとひどい目にあいます。
毎月返済額16万円 35年ローン(毎月2万円の持ち出しだけど返済できてます。将来の年金代わりだから頑張るぞ!)
↓
不動産投資をしていることが金融機関にばれた
↓
期限の利益の喪失(35年かけてローン返済をする権利(期限の利益)を失う)
↓
2か月以内に、住宅ローンを一括返済しろ!と督促がくる
↓
売るに売れない。そんな人は競売手続きに進むしかない。
↓
不動産は他人名義になり、返済しきれないお金は、完済するまで支払いをつづけてもらいます!
これが実態です。
ここまで想像した上で、不動産投資をやってください。
90%くらいの大家さんが損をしているのが不動産投資と言われたり、、、
ぜったいに買ってはいけない投資用不動産の代表格は、
(1)新築ワンルームマンションの投資
(2)新築ファミリーマンションの投資
つまりここでのキーワードは『区分所有の新築』の不動産投資です。
そのほかにもいろんな不動産投資がありますが、ここでは割愛します。
新築の時は綺麗ですよね。
基本、どんな物件だって魅力的に見えます。
家賃は新築プレミアム家賃だから最初は高いけど、次の募集をかけた時、だいたい下がります。
そして、当初数年間は税優遇を考慮してプラスにするという投資手法なので、数年経つと、とんでもないことになります。
そして、大規模修繕なんかが一発出たらどうなるのか、、、。
数百万円の損失を一気に被ります。
想像してみてください。
年収600万円(手取りではありません)の人が一発の大規模修繕で130万円支出する、、、。
想像したら怖ろしくないですか?
家族がいたらどうします?
奥さんが専業主婦だったらどうします?
手取り金額から換算したら、130万円の出費がどれだけデカイか、、、。
例えば、購入して8年後に売却すれば利益が出ますと言われたとして、それってシミュレーション上の話しであって、それが確実に達成できる保証はありません。なんせ8年後の未来を完全予測することなど誰にもできないことです。
立地という背景事情もありますが、
一般的に利回り5%であっても現金一括や自己資金をある程度投入して購入するならメリットはありますが、全額借入(金利2%)をして購入すると、そうとうキツイです。
家賃収入だけでは耐え切れません。
『仕事なんで割り切ってます』⇒ふざけんな!です
昨日、投資用不動産会社で働く人が営業に来ました。
この物件売ってください。ってね。
(その人が悪い人ってわけではないです。)
で、物件資料を見るとなかなか低い利回りで、普通のサラリーマンが運よく融資を引けて購入したら、その後が地獄(笑)
たとえば、7980万円 利回り4.82% 年間収入384万円
借入期間35年 金利2% 借入7980万円だと、年間返済額は317万円
収入とローン返済の差やは、年間たったの67万円(たったの月額5.6万円)
賃借人の出入り、外壁塗装、設備交換、などなど、こんな利益あっという間に吹き飛び、すぐに赤字です。
空室が1室もしくは2室も出たら、毎月赤字経営必至です。生きた心地がしないとはこのことです。
私は聞きました。
『普通に考えたら、これ儲かりませんよね(笑)』
すると『はい、儲かりません。大規模修繕が来たらアウトですし、そういう説明をしている先輩社員を見たことがありません。私たちは売らないと食っていけないので、営業なんだと割り切って仕事をしている感じです。』
・・・これが営業マンの思考回路であり実態です。
不労所得を夢見る人は多いのかもしれませんが、不動産投資は、投資といいうよりも経営なので、経営脳がない人が手を出してはいけません。
勝算が高くなければ手を出してはいけません。
利回りが低くてもメリットがある物件?
利回りが低くてもメリットがある物件とはどんな物件でしょうか。
それは、今後も人口動向が減少に向かわない立地にあり、地域の有望性がある不動産です。
代表的な立地は言わずもがなですけれど東京23区ですが、23区ならどこでも良いわけではありません。
付け加えると、23区外がダメというわけでもありません。
要するに、立地にこだわれば大きなハズレを引くことはありません。
決して、不動産欲しさで盲目的になってはいけません。
後悔のない不動産投資とは
不動産投資を検討する時は、どんなランニングコストがどのタイミングで発生するのか、ちゃんと見極めてからにしましょう。
もし「物件は早い者勝ちです。こんなに良い物件はなかなかないので、物件を押さえちゃいましょう!」と言われたら、充分に納得できてないときは、こう返事してください。
「慌てて後悔したくないので、無くなったらご縁がなかったということです。その時は次の物件を探しますから、他の人に買ってもらってください。」
こんなこと言われたら、営業マンは一気にトーンダウンするでしょうね(笑)
でも、それでいいんです。
購入して投資が成功するかしないかは、購入した人の自己責任なのです。
初心者が、本気で不動産投資を考えるのでしたら、
1)自己資金を十分に用意する(物件価格の3割くらい)
2)不動産投資の本を2~3冊は読んで、本の内容がすべての事柄には当てはまることはないと理解する
3)不動産屋さんの話しに素直に耳を傾け、疑問があれば明確に質問する
4)善悪の判断が実は必要
5)不動産投資は経営であり失敗(=倒産)も受け入れる覚悟をもつ
少なくとも、このくらいのことは基本中の基本として身につけてから挑んでほしいと思います。
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