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不動産を捨てる!空地・空き家問題の解決に向けてどうするか

不動産業界歴 約20年 松田の本音ブログ

田舎の山あい
目次

関係閣僚会議

先日「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」が開催されました。
同会議では「所有者不明土地等対策の新たな基本方針と工程表が決定」されました。

所有者不明土地の問題としては、
1.土地の管理がされず環境が悪化すること、(草ぼうぼうになる)
2.地籍調査がストップしてしまうこと、(勝手に敷地に入れない)
3.隣接地のライフラインの設置等に支障が出ること、(許可なく埋設管を設置できない)
といったものが挙げられています。

こうした事態の引き金になるのが、登記手続きの放置です。

みんなで話し合いです

住所変更をした場合や、相続が発生した場合でも、現行の法律では登記手続きが義務化されていません。
当然こうした登記をする際には費用も手間もかかるため、必要にかられることがない限り多くの人は登記手続きを放置してしまうのです。
その結果、所有者不明の土地が生じてしまいます。
実は私自身も当該者の一人なのですが、何せ手続きが面倒です。
府中市に住む私が、山梨県山奥の土地登記なんて面倒くさくてやってらんないというのが本音のところです。
利用価値もないし、登記するのに手間と費用しか掛からないような原野なのです。

そんな負動産なんて自然放棄ですよね。
(あぁ、隣地の方が時効取得してくれていればありがたい、、、(笑))

【ポイント】
そこで、今回発表された工程表では、「登記手続きの義務化」と、その先の「不動産の放棄」に関する法整備についても触れられました。本年中にもそれぞれの法案を提出することが、工程表にも明記されています。
大きな転換点になるのは、「不動産放棄」制度の確立かと思います。

負動産

うろたえる男性

「負動産」と呼ばれる、所有しているだけで負債を生じてしまい、処分することもできない不動産というものがあります。買い手もつかないエリアで、
1.固定資産税だけがかかる土地や、
2.まったく利用していないけれど、
3.管理費・修繕積立金だけがかかる売れない別荘など、
4.処分に困る不動産の話は多く聞きます。

こういった不動産を放棄することができる制度を待ち望んでいる方はかなり多くいらっしゃるはずです。
(今現在、当社のお客様でも接道要件を満たさない不動産の処分についてお悩みの方がいらっしゃいます。)
しかし、国としても、何でもかんでも放棄できるようにするわけにはいきません。
なぜなら地方公共団体のありがたい税収の源泉になっている部分があるためです。
所有権放棄する場合には、当然のことながら滞納している固定資産税や管理費・修繕積立金については清算済みであることが条件になると思いますし、もしかすると、土地のみが所有権の放棄制度の対象となり、建物については制度の対象から除かれるかもしれません。

また、境界や面積が不明な土地については、その明示を義務化するのか、隣地との紛争がない申出を要求するのか、などの検討が必要です。
万一、境界標などを設置義務化となると、これまた測量費が数十万円から広さによっては数百万円となる可能性もありますから、そうなれば、余計に本制度は普及しないだろうと容易に想像できます。
当然のことながら、所有権放棄をするためには相続までの流れを明記しなくてはいけないため、相続登記についても完了させておくことが必須になるはずです。

手続き費用の問題

考えるおじさん 

他にも、所有権放棄することで国や市区町村名義に変更するための手続き費用の問題もあります。
実際に不動産の放棄が制度化されて、手続きがスタートしたとしても、誰でもが簡単に放棄できるようになるとは思えません。

放棄するために、費用をかけ、手間をかけなんて、、、、、。

どう思いますかね?

私だったら、目先、誰かに迷惑をかけていないという状況であれば放置するし、ほしい方がいらっしゃったら無償でプレゼントします。
ほんといりません。

不動産購入者の意識改革の必要性

こうした行政による所有者不明土地解消への道筋の策定にも期待したいところですが、やはり考えなければいけないのは、不動産を購入する側の意識改革です。

不動産を「終の棲家」と考え、「買って終わり」とするべきではありません。
当社では、お住い購入の際の「出口戦略」というものを合わせて考えるように会話の中でお伝えしています。
一番オーソドックスな出口は「売却」です。

今後利用することが想定できない不動産については、売却が一番無難ですし、利用価値がまだ十分にあるのであれば賃貸活用もありかもしれません。

【不動産購入をするときに、こういったことも検討しておくべきでしょう】
1.仕事の都合や生活環境の変化などで住替えが必要になった場合に、きちんと売却して次のステップに進めるでしょうか。
2.相続した子供世代に負担をかけることがないのか。
3.不動産の出口戦略(処分、活用方法)についても想像たくましく検討しましょう。

こうした不動産の出口戦略については、「賃貸」などもありますが、今後は「放棄できるか」といった見方も出てくるのかもしれません。
特に過疎化が進む地域についてはよく考えるべきでしょう。

田舎の風景

現段階では、法制度自体がどうなるかはわかりませんが、不動産を所有している方、所有を検討されている方には注意していただきたい情報です。出口戦略については、ある程度考えておくべきだと思います。

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